2014年8月23日土曜日

GODZILLA ゴジラ


Godzilla/2014年/アメリカ/124分
監督 ギャレス・エドワーズ
原案 デビッド・キャラハム
脚本 マックス・ボレンスタイン
撮影 シーマス・マッガーベイ
音楽 アレクサンドル・デプラ
出演 アーロン=テイラー・ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、サリー・ホーキンス、デビッド・ストラザーン、ブライアン・クランストン、宝田明

IMAX3Dでのド迫力鑑賞でした。ゴジラを含む特撮怪獣映画の類にそんなに熱量のない僕もゴジラの出演シーン(に限って)は見応えがありました。
予告編でじらされ、本編でもじらされ、ついにゴジラがその全貌を現した時には思わず「おおっ!」と前のめりになりましたね。そのじらっしっぷりの見せ方、演出が大変に巧みで、効果抜群。その分、二時間強の尺の中でゴジラが活躍する場面がものたりず、もっとがっつり見たかったなあ、との不満もあり。そもそも、前情報ではまったく頭になかった雌雄のムートーさんが大暴れ、VSゴジラと言う図式になる展開に、それならそれでこっちもそのつもりで観にきたのに…と若干の期待外れ感を持ったのは確か。ただ、ムートーさん(雌)が意外と良いケツをしていたとか、まさかの接吻シーンとか、せっかくコトに及んで産み付けた卵燃やされてめちゃくちゃ悲痛な咆哮を放ったムートーさん(雌)、いくらなんでもかわいそうとか見所はありました。

それで、ゴジラなんですけれどずいぶんとサイズアップしたようですが、メタボリックななで肩体型でずんぐりとした可愛さがあってすごく造形は好みでしたし、これもまだかまだかとじらされましたが、ちゃんと青白い熱線も思う存分吐いてくれて(体が青白くびかびかしてすうっと胸にため込んでからの、ばはーって言うシーンは秀逸でした)、しっかりとあらゆるものを破壊し尽くした後、悠々と海に帰っていく姿になんとなくめでたしめでたしな感じで、ゴジラおまえ良い奴じゃん!と背中を叩きたくなりました。
まあ、ゴジラは本能に従ってただけで別に人間にこれっぽちも感じるところはないと思いますし、(おそらくは)人もたくさん死んだり、怪我したりして、街は破壊し尽くされてるし、川だか海だかで核爆発しちゃってるし今後の事を考えると、とてもそれどころじゃありませんけど。

渡辺謙は頑なにGODZILLAを「ゴ↓ジ↓ラ↓」と発音していて好感、その割には英語の発音がうまくてびっくりしましたけれど、始終、眉間にしわを寄せた渋面であっちへ行ったりこっちへ行ったりしてた印象で特に役には立っていませんでしたね。と言うか人類のあれやこれやは全くと言っていいほど何の役にも立っていなかったです。

過去の原水爆実験はゴジラを倒すためだった!みたいなエクスキューズにいつものハリウッド的デリカシーのなさを感じたりしましたが英国人監督という事もあってかヒロシマにも若干踏み込んだりして、その部分は面倒くさくなるのであまり深く考えないようにしましたドラマパートを含め脚本は良くできているとは思うものの突っ込みどころは散見。そして、「ゴジラがどーん!」を際立たせるために冗長になるのは致し方なし…と我慢して鑑賞していましたがお父さんのくだりとかもうちょっとテンポ良く語ってくれるとモアベターだったかもしれません。

次回作がもう決定しているようですが、今作でもう充分我慢したのでぜひ次作はもっとゴジラゴジラしてほしいですね。特にゴジラに思い入れのない僕もこのクオリティならぜひ観たい。あと、エリザベス・オルセンの続投にも期待。「キック・アス」と言い本作と言い、アーロン=テイラー・ジョンソンくんは相手役に恵まれますね(ぼくの好みの話ですが)。個人的にはカットバックでエリザベス・オルセン、ゴジラのループでぜんぜんオーケーです。