2016年4月8日金曜日

マン・オブ・スティール


Man of Steel/2013年/アメリカ/143分
監督 ザック・スナイダー
原案 デビッド・S・ゴイヤー、クリストファー・ノーラン
脚本 デビッド・S・ゴイヤー
撮影 アミール・モクリ
音楽 ハンス・ジマー
出演 ヘンリー・カビル、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケビン・コスナー、ダイアン・レイン、ローレンス・フィッシュバーン、ラッセル・クロウ

鑑賞当時はブログを書いていなかったのですが、この度の『スーパーマン vs バットマン ジャスティスの誕生』公開を記念しまして、ムービーウォッチメンへの投稿メールを加筆修正し転載します。

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先週の『スタートレック・イントゥー・ダークネス』に引き続きメガデス(大量に人が死ぬ)映画でした。被害規模としては今作の方が甚大だったかもしれません。子供のころは水没したバスをザバーっと陸に持ち上げて同級生たちを救ったり、大人になって放浪の途についているときも体をぼーぼー燃やしながら崩れ落ちる鉄骨を支えてプラントみたいなところから同僚を救出したりとその超越した力を発揮していたのですが、自分の出自を知りその使命と力に目覚め、あのコスチュームに変身してから終盤に向けてはマクロ的に人類を救うという大目的はあるにせよ、その戦いのさなかめっちゃ人が死んでんねんで!という。

それはさておき映画としてはボリュームたっぷりで長尺も飽きさせず、さすがのザック・スナイダー的画づくりで普通に楽しめました。コスチュームもクールでぜんぜんまぬけな感じはなかったし、どんなに激しいアクションをこなしてもオールバックの髪型が乱れないヘンリー・カヴィルも及第点です。(ガッチャマン』鑑賞後なのでヒーローもの実写化に対するハードルがめちゃ下がっているきらいがあるものの)純粋にカッコイイ!スーパーマン!という気持ちで劇場を出た後は両腕をぐっと前に伸ばしてジャンプし、あ、やっぱり僕は飛べないんだということを確認しました。


二つほど、批判点を。一つは「スーパーマン」っていう名前を出し惜しんだこと。劇中ではワンシーンだけはっきりとその名前で呼ぶシーンが出てきますが、エイミー・アダムスが言おうとする時は「ス…」のところでキーンとなってぼやかしてますし。別に良いんじゃないですかねえ。タイトルはあれでカッコイイと思いますけれど、ちゃんと「スーパーマン!」って呼んであげてこそみんなの味方!って感じがしますし、そこはダサいし…とかで照れ隠しするんじゃなくてバーンと出してほしかったです。もう一つは、やっぱりクリストファー・ノーランがプロデュースということでいささかシリアスに過ぎるというところですね。『ダークナイト』っぽく仕上げたいのはわかるんだけれど元来スーパーマンって「陽」のヒーローだと思うんです。今作で書かれた主人公の生い立ちや葛藤はドラマとして良かったし、ケビン・コスナー演じるアメリカの正義を体現したような父親像も演技の素晴らしさとあいまって最高でしたけれど、もうちょっとポップな感じもほしかった。


今回、あらためて『スーパーマンⅡ 冒険篇(レスター版)』を観直してみたのですがあれはあれで批判はあるようですけれど(ドナー版との比較で)、ちょっとエスプリが効いててセクシー、頭脳プレーも時折見せる、そんなスーパーマンもやっぱり好きです。この『スーパーマンⅡ 冒険篇』と同じようにトラック野郎に仕返しするシーンが今作でも出てきますが、そのやり方があまりにえげつなすぎて笑えなかったですもん。怖っ!てなりました。

話しが前後して恐縮ですが肉弾戦のアクションシーンは見応えありましたね。冗長にすぎてさすがにゾッド戦の途中から飽きてはくるんですがあの対人間とのスピード差や力具合の強弱のつけ方、やられてひっくり返ってもふわっと浮いてるところ、道路を削り取りながら体のブレーキをかけるなど、ほんと緻密に殺陣がアクションがつけてあって感心しました。目からビームとかも僕的にはたまりません。

なんだかんだ言ってたっぷり楽しめましたし、子供のころ劇場で立ち見して鑑賞し、家に帰ってタオルケットか何かをマントの代わりにして「スーパーマン!」ってはしゃいでた懐かしい感じも思い出すことができて満足度は高かったですね。ローレンス・フィッシュバーンの激太りには目を疑いましたけど。



クールだったモーフィアスも今は昔…。

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